街角散歩≪哲学の道≫
///
///
2008.01.02(Sun)  「京阪 三条駅」
(京都府東山区五軒町)


 年末年始の休暇で大阪の実家に帰省しましたが、年末はあまりパッとしない天気が続いたのと、諸々の所用で散歩もままなりませんでした。
 年が明けると天候も回復し、新年早々は大きな行事もなく、久しぶりに一人散歩の機会が訪れました。
 正月の京都は、どこも混雑するので、比較的にのんびりできる南禅寺から北の方を歩いてきました。
 
 京阪三条駅で電車を降り、「三条通り」を蹴上へと歩き出しました。「東大路通り」を越えて、さらに東行します。
 三条神宮道の交差点では、「平安神宮へも行こうかな〜・・・?」と思いましたが、やはり参拝者が多く、行く気にはなれず。平安神宮とは反対の円山公園方向に歩みを進め、青蓮院へ行くことにしました。
【青蓮院門跡】
 通称、「青蓮院」と称される天台宗のお寺さんです。
 門跡とは、皇室や摂関家の師弟が入寺する寺院のことで、京都には天台宗の門跡寺院が青蓮院の他に4つ(「妙法院門跡」、「三千院門跡」、「曼殊院門跡」、「毘沙門堂門跡」)あるそうです。
 江戸時代には、京都御所炎上の際、後桜町天皇(最後の女帝)の仮御所となり、「粟田御所」と呼ばれていたこともあります。
【青蓮院のクスノキ】
 12世紀末に「親鸞聖人のお手植えとも言われるクスノキです。京都市登録天然記念物です。
 左右に大きく伸びた枝が圧巻です。
【薬医門】
 薬医門とは、門の建築様式のことをいい、青蓮院の門の名前が薬医門というわけではありません。
 とても重厚で趣のある門です。
【華頂殿】
 ここの華頂殿でお茶を頂きながら、庭を見ると、とても気持ちが落ち着きます。
 今回は、定番の風景よりも、大胆な色使いの襖に魅了されました。
【道 標】
 青蓮院の庭を堪能した後、一旦「三条神宮通り」に戻り、さらに蹴上を目指します。
 途中、「三條道 東大津道」という道標に出会いました。

 都ホテル京都の前を過ぎると、もうすぐ蹴上に到着です。
【蹴上発電所】
 蹴上の交差点のところでレンガ造りの重厚な建物が目に入りました。
 何の建物か分かりませんでしたが、帰宅後、蹴上発電所と知りました。
 明治24年に建てられたものだそうです。


 蹴上の交差点を渡ったところに琵琶湖疏水のインクライン下を通るトンネルがあります。トンネルを潜ると、南禅寺は、もうすぐそこです。
【金地院】
 金地院は、南禅寺の塔頭の一つで、崇伝が北山にあった禅寺を現地に移築したものです。「大方丈」、「東照宮」、「八窓席」が重要文化財に指定され、方丈前の鶴亀の庭は、特別名勝になっています。
【明智門】
 その名のとおり、明智光秀が母の菩提のため、1582年に黄金千枚を寄進して大徳寺に建立した門です。  明治元年、この地に移築されたのだそうです。
【東照宮】
 東照宮というと、日光東照宮が有名ですが、東照宮は全国に建てられています。
 金地院の東照宮には、徳川家康公の遺髪が祀られています。
【鶴亀の庭】
 徳川家光公を称えるため、小堀遠州に作らせた庭で、枯山水庭園として特別名勝となっています。しかし、庭の名に由来する鶴島や亀島がどれなのか全く分かりませんでした。しかし、海を表わした白砂と背後の森の深さに心がとても鎮まりました。
【南禅寺】
 臨済宗南禅寺派の大本山で、正式名称は「太平興国南禅禅寺」です。
 京都五山のさらに上位に位置する寺院で、日本の禅寺では最も高い格式のお寺さんです。


【三 門】
 歌舞伎で石川五右衛門が「絶景かな〜・・・。」という名台詞を吐くのが、この三門です。
 名台詞を残そうと、500円を払って三門に上がってみましたが、視界に入る木があまりにも高く、絶景は見ることはできませんでした。
【水路閣】
 お寺さんの中にあるとは思えないような建築物です。
 これは、琵琶湖から水を引くため、明治時代に作られた水道橋です。何と!現役だそうです。
【虎の児渡しの庭】
 方丈の前にある、小堀遠州による枯山水の庭です。
 その名のとおり、虎が子供を連れて川を渡るところだそうですが、修行が足りないようで、曇った目には「虎の児渡し」が映りませんでした。


【左甚五郎作】
 廊下の欄間には、左甚五郎が彫ったとされる「虎」と「獅子」が通る人を睨んでいました。さり気ない小さな欄干ですが、いい仕事を残しています。
【如心庭】
 「心」という文字を表わした庭です。 虎の子渡しの庭に比べると狭くて圧迫感を感じますが、腰を据えて眺めていると、石だけの閉ざされた庭が無限に広がっていく錯覚を覚えました。
【哲学の道】
 哲学の道は、若王子橋から銀閣寺橋まで、約1.5kmの小道です。哲学者の西田幾多郎がよく思索しながら散歩したことから、「哲学の道」と呼ばれるようになったそうです。
 大勢の観光客が歩いていましたが、思索に耽って歩いているような人は見かけませんでした。みんな一様に足早に歩いていました。
 「まだ、歩くの〜・・・。」と、途中で抜いた老婦人にとっては、苦行の道になっているようでした。
【法然院】
 正式名称、「善気山法然院萬無教寺」(ぜんきさんほうねんいんばんぶきょうじ)というお寺さんです。
 茅葺の三門を入ると、左右に台形の白砂段があり、その頂上には絵模様が描かれています。
【銀閣寺】
 足利義政による銀閣寺の正式名は、「東山慈照寺」で、銀閣とは観音殿のことです。
 初めて銀閣に行った小学生の時、その名前からキラキラした建物を想像していたのですが、普通の建物にガッカリした思い出があります。当時は、銀閣の建築美がまったく理解できませんでした。年をとると、嗜好が変わるものですね〜。あれから40年、侘び寂が分かるようになりました。


 思ったよりも、拝観者が多く、数珠繋ぎの列の中をソロリソロリと見学してきました。まず最初に目にする「銀沙灘」と「向月台」の造形美に感動です。
 定番ではありますが、銀閣の写真も一枚撮っておきました。
【知恩寺】
 「大念珠繰り」で有名な通称「百万遍」です。山号は「長徳山」、院号は「功徳院」といいます。
 1月の2日だというのに、境内にいたのは、たったの3人。御影堂にいたっては、誰もいませんでした。個人的には、御影堂の屋根の曲線に「萌え〜。」でした。
 知恩院と間違って来られる方も多いのだそうです。



inserted by FC2 system